それはむずかしい

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TOT1899.comのまとめ


今は亡きタワー・オブ・テラーのサイトのホテルツアーと、ベアトリスの日記の途中までをテキスト化してあったのでここで公開。

いつまでも埋もれさせるよりはいいでしょうし。
セリフは
B:ベアトリス
S:ストラング
で打ち込んであります。
一応ホテルツアーでクリックできるとこはすべてやってあると思うのですけど...。

見にくかったら後日修正しやす。


B:1912年8月22日午後5時。彼がホテルに現れた。
 マンフレッド・ストラング。恥知らずな新聞記者。
 ホテルハイタワーがアフリカの偶像に呪われているなんて、ばかげたことを信じている男。
 事実無根の噂を流して、アメリカでも類を見ないこの美しいホテルを取り壊そうとしている彼から、このホテルを守らなければならない。
 私の名前はローズ。ベアトリス・ローズ・エンディコット。
 ニューヨーク市保存協会の名誉にかけて、ホテルハイタワーを解体なんてさせないわ。

S: こんばんは、ミス・エンディコット。ご招待いただいて、たいへん感謝しています。
B:ミスター・ストラング。あなたがこのホテルの芸術的価値を正しく理解されることを期待していますわ。
S:先日、私がお渡ししたハイタワー三世についての調査書をご覧になっていただけましたか?
B:そうでしたわね。たいへん興味深い資料でした。
S:では、聡明なあなたにはお分かりのはず。このホテルにあなたほどの方が情熱を注ぐ価値などないのです。
 ここはハイタワー三世が買収して手に入れた権力と汚れた金で作った、腐敗の記念碑なのです。
B:確かに。あなたの調査が明らかにしているように、彼は正義の冒険家ではなかったかもしれません。しかし・・・。
 この建築物の歴史的・美術的価値には何ら変わりはないと思います。
 庭園に並ぶ彫像品の芸術的価値をご存じですか?
 庭園だけではありません。ホテル内にも素晴らしい芸術があふれています。
 そんな貴重な建物を取り壊すなどという野蛮な行為はニューヨークの、いえ合衆国にとっての損失です。
S:あるものには芸術的価値があるでしょう。しかし、正当な方法で入手されたものじゃないという話をどう思います?
B:あくまで噂ですわ。
S:あの礎石が見えますか?
B:このホテルがどんなに美しく価値のあるものかを、その扉を開けてご自分の眼で確かめてみるといいわ。
 ようこそ、ホテルハイタワーへ。

B:これは14世紀にフランス国王によって壊されてしまった大聖堂から発見されたものなの。
いつの時代にも芸術の価値を理解しようとしない野蛮人はいるものね。
S:そして、いつの時代にも芸術の価値を勘違いした知識人がいるのも確かですね。
 

B:美と醜、ふたつの顔をもつカンボジアの女神像ね。
 この美しい顔は生と建設、そして反対側の恐ろしい顔は死と破壊を表現しているのね。
S:権力をもった悪党がときに聖者のふりをするのは、神様も同じというわけですね。


B:このインドの彫像は川の女神。彼女の髪の毛から、世界中の水が流れ出ているとされているの。
S:腐敗という名の汚水を垂れ流している悪党に、ぜひとも拝ませたいですね。


B:古代ギリシャの女神像ね。紀元前5世紀ごろのものよ。愛の女神というだけあって、本当に美しいわ。
S:頭が欠損しているのに、なぜ美しいと・・・。

※礎石
S:「高くなればなるほど星に近づける」・・・。
 神にでもなるつもりだったんでしょうか。
B:違うと思いますわ。より高いところから広く世の中を見たい。そう思ったのよ。

シーン2
S:想像以上にひどいありさまですね。あのカウンターだって、みすぼらしいものだ。
B:長い間、閉鎖されていたホテルですから。多少は傷んでいます。けれども・・・。
このホテルの芸術的価値は、少しも失われていないわ。
 美しい絵画。ロマネスク様式の柱。それに・・・。
S:冒険の壁画・・・。
B:ハリソン・ハイタワー三世。彼は世界中に冒険に出かけたのね。
S:その冒険も、卑劣な手段で他人から巻き上げた金を使って、ですが。
B:壁画には従者のスメルディングもいるわ。本当に数えきれないほどの冒険を彼らはしてきたのね。
S:彼らの勇敢な冒険譚のほとんどは創作ですよ、ミス・エンディコット。
 彼らが薄汚いペテン師だったことは、あなたの父上の会社で発行された当時の新聞記事で証明されています。
B:つまらない話を繰り返さないでくださる?ミスター・ストラング。
 確かに冒険譚は誇張されたものですし、ハイタワー氏は雑誌に書かれていたような勇敢な男ではなかった・・・。
 それでも、これだけの美術品を世界各国から集めてこのホテルを建てたのは、間違いなく彼の業績ですわ。
S:このホテルは盗みの記念碑ですよ。彼の悪行をなぜそんなに美化するのか、私には理由が分からない。
B:どうしてあなたがそこまでハイタワー氏を目の敵にしているのか、理由が分からないわ。
S:おっと。あそこが彼の墓標というわけですか。

S:エレベーター落下の事件現場・・・。
B:彼の遺体は発見されなかったのです。
 あの日、エレベーターに彼が乗っていたという証言も、どれだけ信憑性があるのかしら。
S:事実です。あのとき私はここにいたんです!1899年12月31日・・・。
B:ホテルハイタワーのニューイヤー・パーティー・・・。
S:私は確かに聞いたんです。コントロールを失ったエレベーターの中からハイタワー三世が叫ぶのを!
 そして、事件は起きました。エレベーターは落下し、ハイタワー三世は消えた・・・。
B:それは機械的な故障にすぎないわ。それに・・・。彼は失踪したのです。
S:それこそが、この事件の重要な点です。閉ざされたエレベーターからハイタワー三世の死体が消えた。
 しかもシリキ・ウトゥンドゥという叫びを残して。これをどう解釈しますか?
B:そここそが、この事故の重要な点ですわ。閉ざされたエレベーターから死体が消えるはずがない。すなわち・・・。
S:呪い・・・。
B:彼はエレベーターに乗っていなかったのです。初めから。それ以外に考えられないわ。

S:ん!?
B:どうかしまして?
S:いま何か見えませんでしたか?
B:あら。幽霊でも見えたのかしら。さぁ、ツアーはこれからよ。


※モアイ像の絵
B:モアイ像。イースター島の。こんな帆船ひとつで南太平洋まで繰り出すなんて、何て勇ましいのかしら。
S:まさか。私の調査によると、彼は所有する貨物船のひとつで航海したといわれています。

※エジプトの絵
B:1887年、エジプト王家の墓。発掘が成功したときに、突如野蛮な現地民に襲われたときの様子ね。
 気球に乗って脱出するなんて、とてもドラマチックだわ。
S:ドラマチックに創作しているのですから、それはそうでしょうね・・・。

※そりの絵
B:月に照らされる城と、雪道を走るソリ。ロマンチックな光景じゃありません?
S:そのソリを追うのはオオカミですか?ハイタワー三世の悪事を嗅ぎつけでもしたのでしょうか。

※ローマ遺跡の絵
B:澄み渡った青空。1882年の地中海探検旅行ね。
 古代ローマの芸術にもしっかりと目を配っているあたり、彼の目はさすがと言えますわ。
S:私の目には、分別のない強欲としか映りませんね。

※カウンター
S:装飾過多なカウンターに積もった13年間の埃。そして蜘蛛の巣。誰を呼ぶこともない呼び鈴・・・。
 「ラジャのプール&スパ」。インドを模したスパ。
 ホテルハイタワーの贅沢な宿泊客のための豪華なプールとスパ・・・か。
 このパンフレットの内容が本当なら、相当見事なものだったのでしょう。
B:とてもすばらしい施設ですわ。まるでインドをそのまま再現したかのような。
S:だが、今は朽ち果てるのをただ待つばかり。過去の栄華はどこへやらですね。
B:だからこそ、手遅れになる前に必要な補修をして、適切な保存をするべきなのです。
B:芸術を後世に残すのは、私たちの義務だと考えます。
S:この薄気味悪い廃墟が、芸術、ですか・・・。
 カウンターの上の置物は今にも動き出しそうだし、うつろな目つきの肖像画は私たちを監視してるようだ。
B:ずいぶん想像力豊かなのですね。ペーパーパックライターの才能もお持ちだとは知りませんでしたわ。
S:今となっては、このパンフレットも虚しいだけですね。


THE RAJAH'S POOL&SPA
ラジャのプール&スパ
ホテルハイタワーの贅沢な宿泊客である皆様
豪華なプールとスパへのお越しを心からお待ち申し上げます。

RAJAH'S プール
アメリカのホテルとしては初の、そして唯一の屋内プールの誕生です。
その水晶のように澄んだ水面は、夏の火照った体に涼をもたらし、冬はその温もりが貴方をつつみます。
ここの空間はすべて貴方のもの。
金色の像の飛び込み台から飛び込むか、弦楽四重奏の調べに乗ってただ静かに水に身を任せるか、すべてはお気に召すまま。
※水着はスパ受付でお求めください。
 タオルとローブは無料でご用意させていただきます。

RAJAH'S スパ
当ホテルではお客様に快適にお過ごしいただくために、以下の施設とサービスをご用意しております。

エクササイズルーム
バスケットボールコートからトレーニングマシンまで、各種ご用意しております。

トルコ式風呂
汗を流し、全身のマッサージを受けた後は、ホテルベーカリーから届いた焼きたてのペイストリーをどうぞ。

サウナ
立ち昇る蒸気の雲の中で、楽しい時間をお過ごしください。

ヘアサロン
舞踏会の前にフレンチサロンでおくつろぎください。
極上のおもてなしをご用意しております。

理髪店
ハリソン・ハイタワー三世のように、貴方も顎ひげや口ひげの身だしなみをお忘れなく。

マッサージルーム
エキゾチックなフルーツを味わいながら、当ホテルのマッサージ師による極上のマッサージを体験してください。
ホテルハイタワー

シーン3
S:この扉のむこうにいる主人に呼ばれるまで、訪問者はここで待たされるわけですね。
B:ゲストが退屈しないように冒険旅行の写真を飾ってあるのね。
 ヨーロッパ、インド、中国、ペルー、それにアフリカ・・・。ハイタワー氏を従者スメルディングは世界中を旅したわ。
S:目的はどうであれ、この行動力には驚かされます。
B:少なくとも彼らの冒険旅行がまったくの創作ではないことは、これらの写真が証明しています。
 写真は堪能されたかしら?
 では、次に参りますわよ。
※ハイタワー三世とシリキ・ウトゥンドゥ、バックにはホテルハイタワーの写真
S:ハイタワー三世がコンゴ川への遠征から帰った時の写真ですね。
B:ホテルハイタワーの雪景色もなかなか素敵だと思いません?
S:彼の腕をご覧なさい。
B:シリキ・ウトゥンドゥを抱いてますね。大事そうに。
S:アフリカから極寒のニューヨークに連れてくるなんて。
 これだけでもシリキ・ウトゥンドゥを怒らせるには十分すぎる。

※ハイタワー三世と最上階の自室
B:かつてのハイタワー三世ね。いまでも目を閉じればホテルのホールに流れていた音楽が聞こえてくるわ。
S:私には、ゲストを前に盗みの逸品を自慢する、あのだみ声が聞こえてきますよ。

※ハイタワー三世とレイジングスピリッツの遺跡
B:これはどこの遺跡かしら・・・。プレートが錆びていて読めないわ。
S:中央アメリカあたりでしょうかね。彼はどの写真にも必ず中央に写っているのですね。
B:記念写真なのですから、あたりまえだと思いますわ。
S:そこが鼻持ちならないところなのですが。

シーン4
B:ここがハイタワー三世の書斎。
S:ステンドグラス、支柱にドラゴンの爪、ゴシック様式の御影石の柱・・・。まるで中世の礼拝堂だ。
B:この部屋は「パークプレイスの竜」と呼ばれていたの。フランスのサクソニー大聖堂に影響を受けたらしいわ。
 それよりも、あの蓄音器をご覧になって。

B:1899年12月31日・・・。彼が失踪した前日に録音された、最後のインタビューよ。
S:ああ、知っているとも。私もこの中にいたんです。ニューヨーク・グローブ通信の記者として。

わたしは莫大な金をかけ~

B:なぜ止めるの?恐いのかしら?
S:もういいでしょう。このインタビューの12時間後、あの事件が起きたんですよ。
 ハイタワー三世はシリキ・ウトゥンドゥの偶像に呪われたんだ。
B:呪いですって?「災いを信じよ」なんて私が言ったら、不吉なことでも起こるのかしら?

S:あなたはシリキ・ウトゥンドゥの怖さをご存知ない。

B:これはただの偶像にすぎないわ。シリキ・ウトゥンドゥ。彼がコンゴ川遠征の際に手に入れた、ただの偶像よ。
S:いや、違いますね。そいつは呪いの偶像です。
B:アフリカの偶像が魔術で人を消した?今は1912年。そんな非科学的なこと、子供だって信じないわ。
S:ハイタワー三世が呪われたのは、シリキ・ウトゥンドゥをばかにした・・・敬意を払わなかったからなんです。
B:この偶像が私を呪い殺すかしら?
S:その偶像から手をはなしてください!冗談で言っているわけじゃないんだ!
(シリキが倒れる)
S:な、なんてことを!
B:ふふふっ、ごめんなさい。でも、おかしいわ。大の大人がただの偶像をそんなに恐れるなんて。

S:ん!?おかしい・・・。
B:どうしたのかしら?
S:部屋が急に暗くなったと思いませんか?
B:もう日が落ちる時刻ですもの。
S:それに、さっきより寒くなった気がする。気温が下がったみたいだ。
B:今は8月。ニューヨークは真夏ですわ。
S:いや、そういうことじゃない、きいてくだ・・・
(雷の音)
B:夕立ちが来るのかしら。
S:本当にそうならありがたい・・・。
B:臆病なあなたは感じた寒気の原因は、天気のせいにできますわ。
 さあ、おバカなおとぎ話はおしまい。お待ちかねの部屋へ案内するわ。

B:この椅子の肘掛けに隠されたボタンを見つけたときは、とても興奮したわ!

S:・・・こんな仕掛けが。
B:でもね、この先にある物を見たら、きっともっと驚くわ。
S:あなたはとても楽しそうですね。ミス・エンディコット。
B:そうよ。世界中から集められた古代の謎がすぐそこにあるんですもの。
S:ああ・・・。なるほど、これはこう動くようになっているのか。
B:何をしているの、ミスター?先に行くわよ。
S:まだいろいろと仕掛けが・・・。ん?やれやれ、ひとりで先に行くとは・・・。
 それにしてもこの場所は不吉だ、不吉すぎる!

S:・・・電話だと?バカな!
 ・・・誰だ?・・・もしもし?
?:馬鹿なことをしでかしてくれたものだ。シリキの呪いが始まる。
S:誰だ?どうしてこの電話を・・・。
?:お前たちは・・・。
S:・・・ま、まさか!
 ベアトリス!待つんだ!僕たちは・・・。・・・僕たちは呪われた。
 バカな・・・。シリキ・ウトゥンドゥが消えただと・・・!?
 おい!・・・ミス・エンディコット!

※デスク
S:その椅子とよく似た王座が昔セント・アーデン大聖堂にありまして・・・。今は行方知れずらしいですが・・・。
B:あなたをここに招いたのは間違いだったのかしら。審美眼のかけらも持ち合わせていないようですけど。
S:芸術はおおいに結構。でも、そろそろホテルハイタワーの危険に気づいてもいい頃ではありませんか?
B:またその話しですの?


※椅子
B:この椅子には、そんな噂話よりもっと興味深いものがあるのよ。探してご覧なさい。
S:さらなるハイタワーの悪事のことでしょうか?


シーン5
B:何をしていたの?遅いわよ。
S:ミス・エンディコット。早く引き上げましょう。これ以上は危険だ。
B:なにを言ってるの?大事なのはこれからよ、見て。
 世紀の冒険家にして骨董品収集家。ニューヨークで一番のお金持ち。その彼が集めた秘宝を見ずに帰るなんて。
S:今はそんな話をしている場合じゃない。
 あなたがひとりで先に行ってしまったあと、あのオフィスの電話が鳴ったんです!
B:電話?まさか。電話は通じてないはずだわ。
S:通じていたんだ。それもこの世じゃない場所とね。おまけに・・・、シリキ・ウトゥンドゥの像が消えた。
B:作り話で私を怖がらせようとしても無駄よ、ミスター・ストラング。この世に呪いなんてものは存在しません。
S:君が知らないだけなんだ。シリキの呪いは存在する。ハイタワー三世の失踪こそがその確たる証拠でしょう?
B:おかしい。世の中の失踪者はすべて呪いのせいだというの?
S:ふざけないでください。
B:ふざけてるのはあなたでしょう?
 いいわ。あなたの言うことが本当だとして、なぜそれが「呪い」だと言い切れるの?
 誰かのイタズラかもしれないでしょう?電話や像のことだって。
 そうね・・・。例えば、このホテルで雨風をしのぐホームレスとか。
S:だとしてもですよ、他に誰かいることになる・・・。そう・・・、僕は確信している。
 いいですか?ここには誰かいるんです!しかも、悪意を持って。さっきロビーで人影を見ましたよね?
B:いいえ。揺れる木の陰に怯える新聞記者さんしか見ていませんわ。
 ・・・分かりました。あとで警察に見回りを要請しておくわ。
S:やはりこのまま進むのは危険です。
B:あら?あなたがいるじゃない。いざとなったら守っていただけますよね?
S:ええ?まあそうなんですが、はい・・・。
B:さあ、この先は秘密の倉庫よ。
 ちゃんとその目で見て。彼のコレクションを。世界中から集められた秘宝の数々を。

シーン6
S:すごい・・・。
B:この部屋を見つけたときの私の興奮がお分かりになって?
S:ああ、これは確かにすごい。スミソニアンも顔負けだな。手前はエジプトのものですね。
B:黒光りする彫像と玉座。荘厳な雰囲気じゃありません?
S:エジプト人は、墓に収められたものは死者が死後の世界に持っていくと考えていた・・・。
 実際は、何世紀も後の薄汚い盗人がニューヨークに持ち帰ったというわけだ。
B:あなたの頭には皮肉以外の言葉は納められていないのかしら。
S:その奥もまたエジプト・・・。
B:棺やミイラ・・・。死の世界を感じさせるものばかりですね。
S:それらを嬉々として集めたハイタワー三世も、死の世界に行ってしまったというわけか。
B:いくらなんでも、それは不謹慎な発言じゃありません?
S:それにしてもこの倉庫・・・。いったいどうなっているんだ。
B:まだ全体像はわからないの。上のフロアにはたくさんのコレクションルームがあるのよ。





※座ってる金色と黒色の人の像
B:この像は・・・。
S:アモン神。古代エジプトの太陽神で、エジプトの神々の主神と言われています。

※金色の椅子
B:凝った装飾を施した金の玉座・・・。
S:ハイタワー三世はこの玉座に座って、自分のコレクションを見渡すのを楽しみにしてたのでしょう。
B:あなたのハイタワー三世の評は充分に聞いたわ。でも、彼のコレクションを見たご感想はどうかしら?
S:・・・確かにすばらしいと思います。
B:結構、では先に進みましょう。ホテルハイタワーのツアーはまだ続くのよ。


B:この像は・・・。
S:オシリス神。古代エジプト神話に登場する、生産の神ですね。

※鳥の像
B:玉座の後ろにそびえるのは・・・。
S:ホルス神。守護者のタカでしょうね。


B:こちらにも守護者がいますね。
S:右がクロコダイルの頭を持つソベク神。左は鳥の頭のホルス神ですね。

※大きなファラオの像
S:この神像は、ラムセス二世ですね。
B:死者に祈りを捧げているのでしょう。
S:この倉庫に収められているコレクションの中では、もっとも大きいもののようですね。
B:あなた、子供みたいな目をしてるわ。
S:誰でもそうなりますよ。この収集品を目の当たりにしたら。
B:分かっていただけたようね。ホテルハイタワーが保存されなければならない理由が。
 そして彼の遺産は公開されるべきだわ。

※ミイラ
B:土台に寄りかかっている石棺・・・。
S:ふたつありますね。オデップ・バルと彼の妻のミイラが納められているのでしょう。
 本で読んだことはありましたが、実際に見るのは初めてです。


B:オシリスに付き従ってる守護者・・・。
S:右がアモン神。犬の頭を持つ左はアヌビス神。
B:ふたりで運んでいる木製の箱は何かしら。ずいぶんステキな模様ですが。
S:オテップ・バルの宝石や宝物が入っていると言われています。


S:着色された砂岩でできている。女性の像は頭部が欠損していますね。
B:どこかもの悲しい感じがする・・・。
S:少女のような感想ですね。
B:馬鹿にしないでくださる?
S:ほめたつもりですよ、ミス・エンディコット。その像は生前の世界から死後の世界への歩みを象徴しています。
B:奥様とふたりで新たな世界へ向かっているのね。
S:あなたは本当に・・・いえ、なんでもありません。


(上のフロア)
S:これまたすごい・・・。
B:派手さはないけれども、どれも一級品よ。
 一部まだ梱包されたままのものもあるけれども、きちんと分類されて展示してあるわ。
S:まるで自分の手柄のように語るのですね、あなたは。
B:ね、この素晴らしい財宝が発見されたときのことを想像できて?
S:子供のころには、それは冒険家にあこがれたりしましたけどね。
B:そうね。そう・・・、わたしはずっとあこがれていた・・・。
 霧のたちこめる深い深い森の奥で・・・。光さえ届かない深淵の闇のなかで・・・。
 無限に広がる砂と静寂に支配された死の砂漠で・・・。
 悠久の時を眠る秘宝を求め・・・。手には剣を、言葉には知識を、瞳には意志をもって。
S:なるほど・・・。あなたにとってハイタワー三世は、まさにそのあこがれを具現化した英雄なんですね。
B:ええ。そうよ。
 これらすべては、想像もできないほどの苦難を知恵と勇気で乗りこえ手にいれたのよ。
S:この膨大なコレクションがそんなロマンチックな話のうえで手に入ったかどうかは・・・。
 いや、やめておきましょう。
B:賢明ですわ。彼の所業に関するご高説には少々うんざりしていたところですから。
S:・・・・・・
 さて、その奥の展示室ですが・・・。
B:あちらから、仮面、武器、絵画、敷物になっているわ。
S:仮面?そんなものまで掻き集めていたわけですか・・・。
B:あら?どれもなかなかエキセントリックで興味深いわよ。
 武器は・・・。正直なところ、ちょっとわたしにはよくわからないわ。
S:よかった。
B:なにがかしら?
S:あの鋭い切っ先は、なかなかエキセントリックよ、とまで言うかと思いましたよ。
B:・・・
S:いや、失礼。
 まあ、魔法使いの仮面でも、伝説のエクスカリバーでも、空飛ぶじゅうたんでもいいんですけどね。
 気になるのは・・・。
B:なにかご不満でも?
S:この場所です。こえはナンセンスですね。
B:どういうことかしら?
S:ここの湿度のことです。高すぎやしませんか?
 この調子では、その小部屋に納められた遺産の運命が心配になりますね。
B:心配していないで、ご自身の目で確認なさってはどうかしら?




S:あれはヒンズー教の神です。あれを使って、これまでどれだけ邪悪な儀式が行われたことか。
 あの口の部分、見えますか?
B:染みのような・・・。
S:何人もの血を吸ってきたからです。生の遺体がこいつの口に放り込まれたのです。
 鎖でつながれた獣、タマス。それがこいつの名です。タマスとは「闇」を意味します。
B:ねえ、額を見て。トパーズよ。きっと世界最大だわ。

※仮面の部屋
S:ここは仮面のコレクションですね。
B:ちょっと不気味ね。じっと見られてるみたい。
S:誰かが向こうから覗いていたとしても驚きませんよ。
 ほら!あそこ・・・。にらまないでくださいよ。
 冗談です。

※武器の部屋
S:剣、斧、槍・・・。武器のコレクションですね。
B:見たことない形のものもたくさんあるんですよ。
S:いつの時代でも人は人を傷つけるために、さまざまな工夫を凝らしているのですよ。
B:あなたの言う工夫には、呪いというのも入っているのかしら。
S:もちろんです。

※絵画の部屋
B:この部屋には絵画が納められているわ。
S:ほとんどがヨーロッパのものですね。
B:残念ながら、あまり有名なものはありません。
S:もともとハイタワーは目利きというわけではないですからね。
B:それはどうかしら?有名な絵画だけが価値あるものじゃないでしょ?
S:それはそうですが。
B:きっと何か意味があるんだと思います。

※タペストリーの部屋
S:ここはタペストリーだらけだ。
B:ええ。でも・・・。
S:湿気でせっかくのコレクションが台無しだ。
B:この倉庫が水路につながっているせいね。
S:水路?
B:ええ。港の倉庫街までの。
S:なるほど。搬入に水路を使っていたわけですね。
 おおかた夜の闇にでもまぎれて、せっせとここへ運んだのでしょう。
B:どういうことかしら?
S:船から陸揚げせずに搬入できたら、港湾局の役人を買収しなくて済むじゃないですか。
 盗品を運び込む最高のルート。善人には思いもつかぬ悪知恵の持ち主ならではですね。
B:あら・あなたも思いついたじゃない?

S:階下はどうなっているのです?
B:たくさんの部屋があって、木箱が無数に積み上げられているわ。浸水で調査が困難になっている箇所もあるのよ。
S:浸水?貴重なコレクションが、あわれ水浸しというわけですか?
B:あら?貴重であるということは認めるのね?
S:持ち去られてきたとはいえ、展示物自体の価値は認めますよ、もちろん。
B:価値を認めるなら、おかしな風説記事はやめて、ホテルの保護を呼び掛ける記事でも書いてくださればいいのに。
S:もちろん書きますとも。真実を。我々の話に、息をひそめて聞き耳をたてているものがいた、とか。
B:またそんな話を。
S:感じませんか?まとわりつくような視線を。
B:何も。あなたの記事、楽しみにしていますわ。

※アステカの石像。
S:アステカ文明の神像か。3メートルはありそうだ。
B:不気味でしょ?白骨化した神様なんて。
S:トラゾルテオトル。愛欲の女神。欲望の保護者であり悔、告白を司る女神です。
 トラエルクァニ、つまり「不潔を食らうもの」という異名も持ち、罪悪、不浄、死を食らうと言われています。
B:あなたは不思議な人ね。子供みたいに呪いなんかを怖がっているのに、いろんなことを知っている。
S:記者ですから。それに、何かを恐れるのは大人だけです。子供は恐れない。私にはあなたが子供に見えます。
B:言い直すわ。あなたはとても失礼な人ね。行きましょう。
S:待って。この床のキズ・・・。この像は動く・・・?しかもこのキズはまだ新しい。
B:どういうこと?
S:最近動かしたということですね。見てください。埃がはらわれている。うっすらと足跡も見える。やっぱりだ。
B:何?
S:こいつはスライドするようになっている。いったい何が隠されている?
 壁か床か、どこかに仕掛けがあるはずです。それが見つかれば・・・。
 もしかしたらハイタワー三世失踪の謎に近づけるかもしれない。
B:手伝います。
S:では、私はこちらから。
 ・・・駄目だ。なにもない。
B:やっぱり思い違いよ。仕掛けなんてないんだわ。
S:そんなはずはない。絶対にあるはずです。

B:何かしら?この音。ほら、まるで・・・。
S:危ない!!
 ミス・エンディコット!大丈夫ですか?お怪我は?
B:あなたに突き飛ばされて、部屋の中なのに星が見えたくらい。
S:とっさのことで・・・。申し訳ない。
B:ふふっ、いいのよ。ありがとう。約束は守ってくださったのね。いざという時は助けてくれるという・・・。

S:今のは聞こえましたよね?やはり誰かいる!
B:誰かがわざと倒したの?
S:それ以外に考えられますか?
 こいつが倒れたおかげで、ほら、ハシゴが・・・。
B:まあ!
S:今のがこのハシゴの発見を恐れての仕業なら、この先には何かしらの答えがある。
B:この先には何が・・・?


シーン7

S:進みましょう・・・。何です?
B:おかしいわ。さっきまでおびえた顔で帰りたがっていたのに。・・・このハシゴはどこまで続いているのかしら。
S:ハイタワー三世は狂人です。常人には計りしれませんよ。・・・ここで待っていてください。上を見てきます。
B:冗談じゃないわ。こんな暗い場所で・・・。
S:ですが、この先に何が待っているか分からない。
B:構いません。
S:念のため聞きますが、ハシゴを登ったことは?
B:私がそんなおてんばに見えて?きゃっ!
S:どうしました?
B:手が滑って・・・。
S:いいから、私の手を。
B:子供じゃありません。ひとりで登れます。
 あっ!!落ちっ!!
S:ベアトリス!僕の手を放さないで!
 もう大丈夫ですよ。しかし、あなたは勇敢な女性だ。ミス・エンディコット。
B:ローズよ。あなたは命の恩人ね。お礼を言わなくては。ミスター・ストラング。
S:僕のことはマンフレッドと呼んでください。ローズ。
B:分かったわ、マンフレッド。それにしても長いハシゴね。いつまで続くのかしら。
S:どうやらゴールに着いたらしいですよ。

(スメルディングの部屋)
B:・・・他の部屋とはずいぶん違うみたい。
S:汚れた食器に酒瓶。奥の机は作業の途中のようにも見える。ついさっきまで誰かがいた、という雰囲気ですね。
B:13年間も閉鎖されたままのこのホテルに?まさか!
S:この部屋をいろいろと探ってみましょう。ヒントが得られるかもしれない。

※コート
S:このつぎはぎだらけのコートは何でしょう。山高帽もだいぶ汚れているな・・・。
B:これも見覚えがありますわ。これは確か・・・、アーチーのもの!
S:アーチー?このホテルハイタワーに詳しいという、ホームレスですか?
B:えぇ。ニューヨーク市保存協会を設立しようというアイディアは、もともとアーチーが提案したものなの。
 実は、ホテルハイタワーの見学ツアーも、アーチーの発案なのよ。
S:なるほど・・・。

※怯えたハイタワー三世のスケッチ
B:見て、この絵!ハリソン・ハイタワー三世だわ。とてもおびえた顔・・・。
S:しかし、この恐怖に歪んだ表情はいったい・・・?これが自信に満ちたあの不遜な男だというのか!

※ベアトリスの絵
S:ホテルハイタワーの庭園。うら若き乙女も一緒に描かれていますね。
B:あ!これは・・・。
S:どうしました?
B:これは・・・、私です、17歳のときの。庭園の彫刻に見とれていたときに描かれたの。スメルディングに・・・。
S:ふむ・・・。ハイタワー三世の従者であるスメルディングの絵がここに・・・。

※ハイタワー三世の絵
B:在りし日のハイタワー三世・・・。
S:こんな男の肖像画を飾っているなんて、よほど趣味の変わった男だ。
B:彼に忠誠を誓っている人物かもしれませんわよ。

※新聞
S:この新聞は、つい最近のものだ。
B:この部屋が最近まで使われていたのは間違いないわね。
 いや、今でも使われているのだろう。
S:新聞の切り抜き・・・。これは僕が書いた記事だ!これも、これもだ。ハイタワー三世についての記事だ。
 僕の記事だけじゃない。ハイタワー三世に関するあらゆる記事を集めているみたいだ。
B:この日記も見て!

アーチボルト・スメルディングの日記

1899年7月16日
ムトゥンドゥ族からの脱出
今でもムトゥンドゥ族からの脱出を考えると、恐ろしさで体が震える。
全ては無知から始まったのだ。
ムトゥンドゥ族の首長、キジャンジが、我々を歓迎し、ごちそうをふるまってくれた時、私は台座の上で眠っているかのような偶像に気付いた。
ご主人様も同様だった。
彼が次第に興奮で張りつめてくる様子が伺えた。
スワヒリ語を話すキジャンジ主張の息子、キブワナを通訳に首長から聞いたところによると、その偶像の名はシリキ・ウトゥンドゥ。
このあたりで最も崇拝されている偶像で、村の守り神だと自慢気だった。
出された料理はどれも火を使わないものばかりで、村が繁栄しているようには見えなかった。
しかし、火を使わないのには理由があった。
火はシリキ・ウトゥンドゥに不快感を与えるというのだ。
他にも決まりがあるようだったが、教えてはもらえなかった。
ご主人様は偶像を買い取ろうと交渉を試みたが、無理だった。
結局、ご主人様は探検隊の男たちと、武器を手に力づくで偶像を奪い取り、強行突破することを決意した。
武装したムトゥンドゥ族は数百人、しかし我々は22人しかおらず、血みどろの闘いとなることは必至だった。
ところが、不思議なことに我々が川を下って逃げている間、ムトゥンドゥ族は狂ったように笑い、話し、歌い続けるばかりで、誰一人追ってはこなかった。
ムトゥンドゥ族からシリキ・ウトゥンドゥを奪うことに成功はしたが、理解できないことだらけだ。
なにか恐ろしいことが起きる予感がする。

1899年8月2日
歓迎と恐怖
私の予感は、ただの取り越し苦労だった!
偶像を船首に据えたカヌーに乗った我々は、どの村でも大変な歓迎を受けた。
しかし、その目の奥には恐怖の色が見えた。
偶像を恐れているのだろう。
彼らが愚かな迷信を信じているなら、それを利用すればいい。
恐れる必要はないのだ。

1899年8月12日
盲目の老人
最後の村で、盲目の老人に出会った。
我々が偶像を持っていることに気付いてはいないようだった。
老人が「緑のもの」と呼ぶかの偶像は、部族から部族へ移動する呪われた偶像で、最初は幸運を運んでくるが、最後に災難が起こり、ひどい場合には部族全体が地上から消えてしまうこともあるという。
老人はこの偶像に古代の呪術師、シリキの霊が取り憑いているとも言った。
シリキ・ウトゥンドゥとは、「災いを信じよ」という意味があるらしく、呪術師の遺骨の一部が偶像の中に隠されているとの噂があるそうだ。
掟についても教えてくれた。
偶像を敬うこと、火を近づけない、包まない、埋葬したり小さな建物の中に置いたりしない、常に屋外に置き、雨を避け、決して完全に囲ってはいけない。
また、偶像を置き去りにしたり、捨てたり、人にあげてはいけない。
ムトゥンドゥ族はご主人様が偶像を持ち去るように仕向けたのだ!
だから、あんなに簡単に逃げられたのだろう。
老人は他にも呪術の方法を教えてくれたが、うまくいかないと自分に返ってきてしまう危険なものだった。
この地域の人々は呪術師シリキを完全に恐れていた。
最後に、老人は「偶像の目に気をつけろ」と言った。
偶像の目は閉じたままなので意味がよく分からなかった。
もう少し詳しく話を聞こうと戻ってみたが、老人はすでにいなくなっていた。

1899年8月13日
緑色の稲妻
老人から聞いた話をご主人様に伝えたが、彼は一笑し、偶像を罵倒した。
するとわずか数分後、緑色がかった稲妻が1艘のカヌーに落ちた。
ご主人様は気にしていなかったが、私にはこれがシリキ・ウトゥンドゥの力によるものだとしか思えなかった。
もう手遅れかもしれない。
私はご主人様に、偶像の世話を任せてくれるように頼んだ。
彼がなにかの拍子に偶像を捨ててしまうかもしれないと思ったからだ。
これから先、私は敬意を払って偶像を扱うように努力するつもりだ。
また同時に私の恐怖心を偶像に示す。
私のような臆病者には簡単なことだろう。

1899年8月13日
ニューヨークへの帰還
今は、ニューヨークへ戻る船の中だ。
出航以来、我々を苦しめていた激しい嵐は、ようやくおさまった。
出航の際、私の説得を拒否してご主人様が、木箱に詰め込んだシリキ・ウトゥンドゥを、私が箱から出したのだ。
彼の命令に背いたのはこれが初めてだが、シリキの呪いから彼を守るには、こうするしかなかった。
しか、彼は私の話を決して理解しないだろう。
私は偶像を前に、ニューヨークでご主人様が偶像をいかに素晴らしい場所に置こうと考えているか、必死にスワヒリ語で話しかけた。
現在天気はとても良いが、ニューヨークに近づいたら、偶像を木箱に戻さなければ。
とにかく、どうにかしてご主人様が偶像の怒りを買わないようにしなければいけない。


S:これは・・・?
B:ずいぶんいろいろ書かれているようだけど。
S:シリキ・ウトゥンドゥに関する文章も・・・。あの事件のヒントが得られるかもしれない!
 この資料の多さは・・・。何かを熱心に調べているようだな・・・。

S:分かった!
B:どうしたの、マンフレッド?
S:分かったんだよ、ローズ。
 スメルディングとアーチーは同一人物だ!そしてここはヤツの隠れ家に違いない。
B:そんな!
S:だがなぜ?主人が戻ってくるのを待っているとでもいうのか?
B:その可能性はあるわね。ハイタワー三世が行方不明になったあと、彼はきっとこの部屋に住み着いていたのね。
S:もし本当にそうなら、ヤツのハイタワー三世への忠誠心は尋常ではないな・・・。
 あ!となると、さっき像が倒れたのは・・・。

(足音)

S:誰だ!?ローズ、行こう!
B:ええ。


シーン8
S:ここは・・・!
B:なんて大きなスイートルームなの!?
S:美術品も装飾品も他の部屋のものとは全然違う。
B:きっとハイタワー三世の部屋よ!あれは何かしら?
S:待て!ひとりで行くな!
 !!
 バカな・・・。シリキがなぜここに?
B:え、なに?

(電話)
S:どこだ、スメルディング!おまえが電話をかけてるんだろう!わかってるんだぞ!

?:なぜ忠告を聞かなかった・・・
S:その声。まさか!?

(シリキの目が開く)
S:ローズ!いますぐ外へ出るんだ!
B:痛い!手を放して!
S:いいから走るんだ!ぜったいに後ろを振り向くな!

(ホテルハイタワー前)
B:・・・いったい何があったっていうの?
S:シリキ・ウトゥンドゥだよ。聞こえなかったのか?ヤツの笑い声が。
B:聞いたわ。でもどうせまた誰かの仕業でしょう?
S:シリキ・ウトゥンドゥの呪いは本物なんだ。でも、ここまで来れば平気だ。
B:・・・そうみたいね。もっとも・・・、シリキ・ウトゥンドゥの呪いなんてものが本当に存在していたらの話だけど。
S:まだ疑っているのか?こんな目にあったというのに。
B:もういいわ。言い争うのは止めにしましょう、マンフ・・・いいえ、ミスター・ストラング。
 それより、あなたに聞きたいことがあるわ。
S:・・・何ですか?・・・ミス・エンディコット。
B:まだ、ホテルハイタワーの記事を、解体賛成のスタンスで書かれるおつもりなのかしら?
S:・・・その件なら。正直言って、よく分からなくなりました。
B:ふふっ。
S:でも、このホテルが危険だという点は変わらない。それは覚えておいてください。
 人智の及ばぬ悪意が浄化されない限りはね。それだけは覚えておいてほしい。
B:あなたは相変わらずね。
S:それより、ミス・エンディコット。あなたこそホテルツアーを予定通り実行するおつもりですか?
B:それは後で考えますわ。

こうして私たちは、ホテルハイタワーを後にした。
ミス・エンディコットはホテルハイタワーの魅力を十分に私にアピールできたとしてご満悦な様子だったが、
私には、あのホテルがますます危険なものに感じられただけだった。
彼女は本当にホテルツアーを実施するのだろうか?




ベアトリス・ローズ・エンディコットの日記

1897年2月2日
ハイタワー三世との出遭い
すべてはドアのノックから始まった。
たまたま私がドアを開けると、そこにはくたびれた服を着て緊張した顔をした若い男の人が、両手にたくさんの書類を抱えて立っていた。
「お父さんに会いたい」と言うので、オフィスに通そうと家に入れたら、彼はおかしいくらいにキョロキョロしながら私の後をついて来たわ。

彼はお父さんの新聞社で働きたかったみたいで、お父さんに会うと持っていた雑誌を差し出しながら、「ハリソン・ハイタワー三世の弱みをつかんだ!」みたいなことを熱心に訴えていたわ。
そのとき、彼の手から1冊の雑誌がすべり落ちたの。
彼は気付いていなかったけれど。「ハイタワー三世 真実の冒険物語」と書かれたタイトルの下には、象に乗っている、ひげを生やした男の人の絵が描いてあったの。それは私が8歳のときにパレードで見たハイタワー三世その人だった!

私はその雑誌をこっそり屋根裏の秘密の場所に隠して、そこに書かれていたハイタワー三世の冒険物語を夢中になって読んだ。
その物語は、私がこれまでに読んだどんな歴史の本も比べものにならないほどおもしろかったわ!
「この雑誌を一生持っていよう!」と心に決めて、私はそれを誰にも見つからないように古いトランクの中に隠したの。

1900年1月1日
爆発音
大晦日の真夜中、ホテルハイタワーで爆発があった!
私はこの目で見てしまったの!

新年を迎えるほんの数分前、私は屋根裏の窓のそばに座って、人々が街中で新年のカウントダウンをする様子を眺めていたの。
すると、突然ホテルの電気がすべて消えて、その数秒後、ちょうどホテルの最上階の窓が緑色に光ったの!
私は思わず叫んでいたわ!

あれはハイタワー氏の部屋だった!
その後、緑色の光がホテルを貫いて、下に落ちていきながら窓ガラスを内側から照らし出したの。
今までに見たことのない光。
そして、ホテルの全面の大きな窓が爆発とともに勢いよくはじけ散った!
人々の叫び声もその爆発音でほとんど聞こえなかったわ。

すぐに消防車のベルやサイレンが聞こえてきたけれど、ハイタワー氏の部屋から出ている一筋の煙以外、ホテルに火は見えなかった。
まるで命を吸い取られたように、ホテルはまったくの暗闇だったわ。
居合わせた人たちがとてもかわいそう。本当に怖かったことでしょう!

1900年1月3日
ハイタワー氏失踪
それにしても、私の大好きなハリソン・ハイタワー三世はどこへ行ってしまったの?
新聞は、ホテルのメインエレベーターが落下したけれど、中には誰もいなかったと書いている。
人々が落下するエレベーターの中からハイタワー氏の叫び声を聞いた、という記事を載せていた新聞社が一社だけあったけれど、そんなことありえない!
彼はどこかに隠れているだけだわ。
でも何かがおかしい・・・・・・
何か悪いことが彼の身に起こったのよ!
彼がいなくなるなんて、私はこれからどうしたらいいの?
もう、彼の新しい冒険物語を読むこともできなくなるのよ!

1908年10月21日
つぎはぎだらけのアーチー
今日は面白いおじいさんに会った。
公園でホテルハイタワーをスケッチしていたら近づいて来たのだけれど、顔色は悪くしわだらけ、白いひげが長く伸びて、体はやせこけている。
汚い山高帽につぎはぎだらけのコートを着ていた。
何かに怯えているようだったけれど、話しかけてきた彼はとても礼儀正しく、優しそうだった。

スケッチをきっかけに、私たちはお互いのホテルへの愛情を語り合った。
彼の名はアーチーといい、ホテルを眺めるために、よく公園に来ているらしい。
彼はその昔、ホテルハイタワーでコックの助手として働いていたけれど、ホテル閉鎖と共に仕事を失ってしまい、今はブルックリンにある姉の家で暮らしているそうだ。
私は自分が手がけている色々な婦人団体について彼に話した。
私が、建設中のお父さんの新しい船、S.S.コロンビア号で内装の一部を手伝っている話も、彼は礼儀正しく聞いていた。
でも彼はすぐに話をホテルの話題に戻した。

私が思わずメモを取り始めてしまうほど、アーチーはホテルのことを知りつくしていた。
私は最近ホテルハイタワーの歴史について書こうと思っている。
次にアーチーに会った時に相談してみよう。
彼の力があればあのホテルの詳細までわかるかもしれない。

1911年4月15日
誕生日プレゼント
今日は私の誕生日。
お父さんが私のために誕生日パーティーを開いてくれて、私のお友達全員と姉たちがお祝いしてくれた。
とても素敵だったわ!

夕食後、私はお父さんにアーチー発案のホテルハイタワー買収計画のことを話してみた。
S.S.コロンビア号の就航に合わせて、ホテル事業に手を広げるべきだ、それには港から近いホテルハイタワーを使わない手はないと。
実は、ホテルの土地権利書は何組かの人が持っていて、どの権利書が本物なのかわからないために裁判で争われている状態。
だから、小さな不動産会社を隠れ蓑に、権利書を「全部」買い取ることを勧めてみた。
始めはホテルハイタワーの話題に怒っていたお父さんも、最後には笑いながら大きな腕で私を抱きしめ、「それでこそ私の娘だ!」と喜んでくれた!
私はお父さんにアーチーのことを言いたかったけど、彼に強く口止めされていたので言わなかった。
アーチーは本当に痛々しいほど引っ込み思案で、注目されるのがとても恐いみたい。

お父さんも、もし計画がうまくいったら、誕生日のプレゼントにホテルハイタワーの好きな仕事を私に任せてくれると言った。
私はもちろん総支配人になりたいわ!
総支配人になったら、アーチーには彼が望む仕事をあげよう!

1911年12月31日
巨大なプロジェクト
今週はとにかく忙しい!
S.S.コロンビア号のダイニングルームの内装プランが、ようやくまとまってきた。

中央アメリカに建設中のパナマ運河を称える意味で、美しいトロピカルなイメージをテーマにするつもり。
運河の完成は1914年だけど、完成すればきっと、想像以上の繁栄を私たちの船舶事業にもたらすに違いない。
だから私はウェイティングルームの壁画に、荘厳な太陽を背にしてパナマ運河を進むS.S.コロンビア号を描くことにした。
壁画は同時に、運河の建設推進に尽力したテディ・ルーズヴェルト元大統領をも思い起こさせるデザインになる。
メインダイニングルームには椰子の木や葉のデザインを取り入れて、グランドピアノも置く予定。

それにしても、お父さんがこの巨大プロジェクトの指揮に、私を選んでくれたことが、本当に嬉しい。
もっとも、そのおかげでとても忙しくなってしまったけれど。
お父さんから、アーチー発案のホテルハイタワー買収計画が成功しなかったことを聞かされても、深く考える余裕もなかったくらい。
お父さんは、数人の所有者が売却を拒んだと言っていたけれど、まあいい。いずれ説得できるわ。
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  1. 2011/05/19(木) 23:13:27|
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まとめtyaiました【TOT1899.comのまとめ】

今は亡きタワー・オブ・テラーのサイトのホテルツアーと、ベアトリスの日記の途中までをテキスト化してあったのでここで公開。いつまでも埋もれさせるよりはいいでしょうし。
  1. 2012/05/04(金) 01:25:36 |
  2. まとめwoネタ速neo

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Author:久
ディズニー好きの♂です。
とうとうあこがれていた年パスデビュー。


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